旅の画家、ターナー
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1775年に生まれ、1851年まで生きたターナーの時代には、旅行は今のように簡単にできるものではありませんでした。ヨーロッパの中でも辺境に位置するイギリスに生まれた彼は、旅に出るために海を越える必要もありました。
それでもターナーはヨーロッパの各地を回り、旅の画家と称されることもあるほどです。各国で見た様々な景色や気候は、風景画家としての資質に影響を与え、多くのインスピレーションを与えたことでしょう。
同じヨーロッパの中でも、国によって、あるいは地方によって大きく風景は変わります。各国の建築様式の違いもあれば、気候の差による自然環境の違いもあります。欧州は緯度が同じ程度であっても、気候が全く異なることがあります。たとえば、南イタリアやスペイン・ポルトガルは温暖であり、現在では南米を思わせるカラフルな色彩の建物が多く残っています。
質実剛健なイメージはドイツだけではなく、イギリスにもあります。祖国から出て各地を回っていくときに受けたインパクトの大きさは、私達一般人よりも、風景画家には際立ったものだったのでしょう。作風だけではなく、生き方や心情にも大きく関係したことと思います。
光や大気を描き出すことにおいて素晴らしい評価を得たことにも、旅は関係していると見られています。生きることと旅行を結びつけた生き方は、時が流れても私達を引き付けるものがあります。
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